＃２　奇跡のりんご
『奇跡のりんご』とは、無農薬・無肥料、愛情で作られたりんご。果実を無農薬で作るのはかなり難しいとされている。それを可能にしたから、『奇跡のりんご』 去年（２００２年）、ナチュラルハーモニー（＊１）の河名秀郎さん（＊２）からこのりんごの話を聞いた。 感動した。 「肥料の変わりに、愛情をいれるんですよ。」 奇跡のりんごを作った方は、木村秋則さん。 その木村さんのりんご畑へ行ってくることが出来た。（＊３） その畑で私が貴重な体験したお話です。
青森までは遠い遠い道のりだった。新幹線で八戸、八戸から特急で弘前。 弘前から車で移動。移動中から見える風景は岩木山がきれいにそびえ、りんご畑でいっぱいだった。約１時間弱、岩木山がよく見える場所に木村さんのりんご畑があった。 ごく普通のりんご畑は、葉が緑色をした枝にりんごがぎっしりとついていた。土の上には銀色の光を反射するように置かれている。それに対して、木村さんのりんご畑は、銀色の反射板はなく、葉は緑というより、やや紅葉しかかっている・・ちょっと茶色の色をしている。そして、りんごは大きくしっかりした実をつけていた。 木村さんの話もたくさん聞きたかったし、畑でいろんなことを感じてみたかった。 だが、身体がまったくついていかなかった。 ２５日朝、新幹線に乗る前になって「月経になった」 ショックだった。 予定通り・・・のことなんだけど、温泉に入れない・・とか、１日目が一番自分は辛いので、腹痛がいやだったし。 そんな状況で、昼頃からやはり腹痛が気になる。 午後、木村さんのりんご畑に着いて、しばらく話を聞いて、雷が鳴り、雨が降ってきて、急いで収穫。（収穫作業は今まで人に触らせてもらえないとのこと。かなり貴重な体験です。） ・・・そして、大切なりんごをその場でほおばっていた。みずみずしいりんごの汁が溢れ出す。 雨に濡れたのもあって、北風が吹いて身体も冷えだした。あまり防寒対策をしていなかったのもよくなかった。 徐々に腹痛がひどくなっていく。立っているのがつらい。でも、話は聞きたい・・・が、そのうち吐き気がする。下痢の渋り腹にもなってきた。 これはヤバイ。一番ヤバイ。倒れるかも・・・と思い始めた。 これはヤバイとやや自分ではあせっていた。 トイレは近くにはない。ヤバイ。意識は保たなきゃ。 スタッフの方へ頼み込んで急ぎめに車に乗り、トイレへ向かってもらった。 車中、嘔吐。せっかく頂いたりんごはすべて吐いてしまった。 トイレに着き、駆け込むようにして、下痢。 そのころには、意識はかなり朦朧とし始めた。冷や汗。寒さ。横になりたかった。気分不快。しかし、下からも上からも出そうな感じが続き、そこから動くことさえ出来ない。 お腹は痛い（渋り腹も月経痛も） ちなみに経血の量はそれほど多くはない。 頭はクラクラした。 なんとか、ここから出ないと・・・・と思い、出るがすぐに嘔吐。 吐くだけ吐いた。 寒さなのか、振るえなのかよくわからなくなっていた。 えめさん（松田恵美子さん）（＊４）の力を借りる。 お腹に手にあててもらったときの不思議な暖かさがあった。「それをどんどん身体の中に広げていけばいい」触るか、触っていないかくらいの手の感覚で、「そうそう、今度は右腕、わきの下。右のふとももあたりも。・・・」しばらくすると、意識が清明になってくる。くらくらがとれてくるのがわるかる。 なすがままだった。 たくさんの手がいっぱいでてきて、助けてもらった。 人の手の温かさをいっぱい感じた。 車にやっと乗れて、身体を温めるようにしてもらった。 縮こまるようにして、横になっていた。 まだ時々嘔吐が襲う。月経痛が今度は気になる。 車はホテルへ向かっていた。 寝たいが寝れない・・・そんな状態だった。 車が止まって目覚めた。 しばらく寝てしまったらしい。 そして、ふと起き、目を開けると、さっきまでの痛みや意識が朦朧とした感じはまったくなく、この世に戻ってきた！そんな感じだった。 身体はかなり温かくなった。 ホテルつき、すこしぼーっとしたところはあるが、今日1日の中で一番自分がしっかりしている感じだった。 車の中で数分の眠りですでに復活！ 少しは月経痛はあるものの、あの恐怖のような痛みもないし、元気が戻っていた。もうすっかり大丈夫！ 木村さんの畑でこんな状態になってしまい、正直がっかりしていた。 もっとたくさんのりんごの樹を観ていたかったし、その場の空気や土を感じたかった。それなのに自分の身体がついてこれなかった・・・・他の方にも迷惑をいっぱいかけてしまった・・・・プログラムの妨げになってしまった・・・スタッフの方々に迷惑かけた・・・そんな風に感じていたけど。 えめさんに再度みてもらった。 「さっきとは、顔色がよくなった。」といわれる。足の第３指と４指の間を冷やさないように・・・ 「排毒なのよ。やはり木村さんのりんごにはすごいものがある。」 そうだよね。 こんなに月経痛で苦しんだのは、初潮から数えて３回目くらいだんだから。 １回目は学生のとき。 ２回目はチョーストレス状態にあった２年前、学生指導で小児科実習のとき。 そして、今回くらいなのだ。 今回のこんな状態は、私にはかなり貴重な体験であり、不思議な体験。 木村さんのりんこが、身体を綺麗にしてくれたんだ。 河名さんにも「木村さんの畑では不思議なことが起こるんだ。病気の人が直っちゃったり。それまではかなり苦しむけど、直るんだよ。浄化されるんだ。」 うまく表現はできないけど、体感しちゃいました。 木村さんの奇跡のりんごなんです。 たまたま私は月経と重なったので、こんな状況になりました。でも私には必然性を感じます。まず、身体でちゃんと感じなさいってりんごに言われているようです。 「復活が早い。」といろんな方に言われました。適応能力は早いようです（笑）
約1時間くらい？のんびりすごし、その後はレストラン山崎にて、フランス料理が待っていた。 これもとても楽しみでした。 フランス料理なんて・・・・食べたことがないんですから。 無農薬・無肥料の野菜を中心に、近海でとれた魚・鴨肉などとにかく美味しい。 復活した私は完食！です。 とても美味しかったりんごのポタージュ。 りんごの酸味、甘味、バターのいい香り。りんごのアップルパイの味に近いかな。山崎シェフも素敵な方でした。
木村秋則さんに会ったのは、去年の秋にプランツでのイベントで話を聞いたことがあり、今回は２度目でした。 ほとんどの歯がありません。すべて農薬のせいらしいです。その笑顔には、誰もがにっこりと微笑んでしまう、そんな可愛い方です。 無農薬・無肥料で取り組んで、７年間はまったくりんごがとれず、貧乏と借金の生活。「抵当に何度もなったよ」と今では笑っているが、その苦労ははかり知れない。 木村さんは本当にピュアな人。 勉強熱心、研究熱心。 そして、樹や虫、鳥とも会話しているようです。自然を愛している。 だからこそ、無農薬・無肥料のりんごが作れる。 木村さんが最後におっしゃった言葉が私は印象的でした。 「何もわからず、ボートで海にでた感じで後にも先にもいけなくて、そのうち船になってきて、今では海が開けていくような感じさえあります。」 今では全国で講演活動、農家の方へ指導などされているようです。 「これからの日本の農業を変えてみせます！」 ぜひとも、木村さんの話を聞いてほしい。 木村さんの美味しいりんごは、高価ですがぜひとも味わってほしいものです。